公費による消費引き締めへ ぜいたく品に寒風 (3)
同顧問によれば、ぜいたく品を購入する顧客の多くは、「価格を問題にしない」。自分の懐が痛むわけではないからだ。今ならダイヤなし、金めっきなしの腕時計が政府関係者への贈り物にぴったりで、控えめな感じで値段がわからないことがその理由だ。ブランドへの風当たりが厳しい現在、エルメスでは大げさなのだという。
「違法すれすれの伝票」を発行することはルール違反ではないのだろうか。実際には、ぜいたく品ブランドの考えは非常にはっきりしている。ある経験豊かなぜいたく品業界の専門家によると、今年に入ってから、一部のぜいたく品ブランドの上層部はこうした形を変えた公費による消費を助けることが法的リスクをもたらす可能性を懸念するようになり、すでに行動を取り始めているという。
多くの国際的なぜいたく品ブランドが昨年から内部向け通知を相次いで発行し、みだりに伝票を発行しないよう求め、今年に入ると具体的な規定をより詳しく設けるようになった。実際には売ったものの伝票を切るのが世界での通例であるが、中国の顧客が特別なことを要求するため、一部の大手ブランドも通例に違反し、その要求にひそかに応えたという。
▽贈答品は形を変えた賄賂?
ぜいたく品ブランドの衣類・皮革製品、生活用品、時計・ジュエリーには、優雅でファッショナブルな印象があり、そのセールスポイントもまさにここにある。だが権力と金銭(ぜいたく品)との取引、公費による消費、形を変えた贈収賄に関係すれば、優雅な衣をまとった腐敗に成り下がり、社会の風紀を乱すだけでなく、ぜいたく品の美しいイメージも徹底的に損なわれることになる。
浙江省温州市の事業家の朱さんによると、この一年間に購入したぜいたく品ブランドのバッグは数十個に上るが、自分で使っているものは一つもなく、ほとんどが贈り物で、政府関係者への贈り物が大半だという。「こうしたものは価値が高く、受け取った相手は贈り物と思ってすんなり受け取るが、実際には金銭を贈るようなものだ。今ならまだ現金に引き換えてくれる専用のルートがあると聞く」と話す。
ある専門家は次のように提案する。財政資金の管理を強化し、公費による贈答の資金源を絶つ。予算外の資金の管理を強化し、これらの資金の「体外循環」を制御する。同時に権力と金銭(ぜいたく品)との取引の取り締まりを強化する。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年5月3日