相次ぐ大手のM&Aから見えてくるIT産業の未来 (2)
第三に、技術と人材を集めることがネット企業がM&Aを頻繁に行うもう一つの目的だ。M&Aを行えば市場価格を上回る金額での買収といった高いリスクを一時的に支払う可能性があるが、技術と人材を集めるという観点からいえば、予定通りにM&Aが行われれば企業の技術イノベーション能力を大幅に高めることが可能であると同時に、大容量データ時代に技術、支援、人材での先行や優位性を維持することができ、支払った金額を上回るメリットがある。ヤフーは最近、活力ある若い企業を相次いで買収し、その取引において対象企業の開発者がヤフーに所属するよう強く働きかけるのを常としており、こうした見方を裏付ける。
モバイルインターネットの急速な発展にともない、大容量データ時代がマイクロソフトやヤフー、その他の大容量データを取り扱うイノベーション企業に対し、伝統的な競争局面を塗り替えるチャンスをもたらしている。マイクロソフトは2年前に85億ドルでネット電話サービスのスカイプを買収し、1億件を超える利用者を獲得した。また最近のヌークメディアの買収計画をみると、ネットの大容量データ時代を模索し、新たな業務モデルを配置しようとするマイクロソフトの決意と発展の道筋がよりはっきりとうかがえる。
総じていえることは、こうした大規模なM&A取引の背後で、市場競争の中でマイクロソフトやヤフーなどのIT大手がどのような戦略を採ろうとしているかが見えるということだ。M&Aは当事者企業の発展に影響を与えると同時に、世界のIT産業における市場の変化や技術の発展にも影響を与えることは確実だ。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年5月15日