トヨタ中国 現地化経営で危機を乗り切る (2)
しかし田氏は、突発的な中日関係の問題により、同社にとって書き入れ時の9・10月に理想的な業績を記録できなくなるとは、予想しなかった。同社の馬春平・広報担当者が作成したパワーポイント資料によると、昨年9・10月の販売台数は10万台に達したが、今年は4万4000台に減少した。
中日関係により販売台数に影響が生じたのは、一汽トヨタだけではない。日本ブランドの同期の販売台数は、最大で70%減となった。これについて、田氏は「2008年に常務副総経理になってから、リコール問題や東日本大震災などの苦境に直面したが、いつも効果的な市場マーケティングによりこれを乗り切ってきた」と語った。
しかしながら、田氏は今回、「販売目標の達成は不可能だ」と述べた。このような意思表示は、同氏が常務副総経理に就任してから初のことだ。田氏は、日本車が中国でこれ以上シェアを伸ばせなくなったとは考えておらず、「現在は十分な時間と力強いマーケティングにより、消費者から信頼を取り戻す必要がある」と話した。
田氏は「好調な地域の来店者数は通常の70%まで回復しており、全国平均でも通常の50%に達している」としつつも、「消費者は『自分の車が傷つけられるのでは』と今も不安を抱いている」と認めた。
◆複雑な市場 トヨタの中国戦略の変化
トヨタの中国本土化戦略の加速は、朗報と言えるかもしれない。トヨタ中国法人はこのほど、「トヨタ中国」から「中国トヨタ」に変わると表明した。田氏は、「これはただのスローガンではない」と述べた。