「トヨタ中国」が「中国トヨタ」に 専門家「問題解決にならず」 (2)
楊氏は「現状から、明らかな効果が現われるとは考えられない。呼称のみの変更で、消費者のイメージが180度逆転することはない。単に『中国企業になった』と感じるだけ。下手をすれば策略的なイメージを消費者に与え、信頼を失うかもしれない。しかし長期的には、3年後あるいは5年後、『中国トヨタ』と呼び続けられれば、戦略的効果が現われる可能性もあるが、時間が必要だろう」と語る。
多くの大手多国籍自動車メーカーから在中投資コンサルタントを依頼されている薛旭氏も、単なる「呼称変更」では実質的な問題解決は不可能、と指摘する。
「中国人から見れば、トヨタは日本のトヨタであり、グローバル企業・トヨタ自動車の中国における一つの現地法人に過ぎない。また、トヨタ全体の日本的文化、そして日本社会の中国に対する姿勢(技術移転分野)についても、根本的に変化することはない。多少改善されることはあっても、本質的な変化はない」と薛氏。
薛氏の指摘する実質的問題について、中国自動車流通協会の賈新光・常務理事は、「日本の自動車メーカーは技術移転の面で、欧米メーカーより保守的。ネット上でも『日本で淘汰された技術が中国に輸出される』との書き込みが流行っていた」と指摘。