失われた20年、なお続く円高圧力の不思議 (2)
強含みの円は今後も続く 日本が「強すぎる円」からの脱却を図るためには、以下のような方策を採るしか道はない。
第一に、日本企業の労働生産率をさらに向上させることである。
第二に、日本が産業チェーン上における付加価値をさらに高めることである。産業チェーン上における地位が高まるほど、輸出価格の高騰や下落で悩まされることが少なくなる。
第三に、日銀が無制限に為替相場に関与することである。日本政府が忌憚なく国内通貨政策の自主性を阻むことができ、同時に他国政府が日本の政策を放任するならば、日本はペッグ制に似た方式によって円相場を一定のレートで維持することができる。
第四に、諸国が無条件で自国通貨の対日為替レートを引き上げることである。
第一の条件として提示した日本の労働生産率は、他の先進国と比較して大差ない。短期間で向上させる余地は少ない。