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安倍氏が「憤慨首相」でないことを望む

 日本の自民党は16日の第46回衆議院議員総選挙で圧勝した。これで首相の安倍晋三氏は政界でも珍しい「出戻り」首相となる。安倍氏は日本の典型的なタカ派政治家だが、2006年に首相に選ばれた際には、最初の外遊先に中国を選び、靖国神社参拝問題で悪化した中日関係を改善に導く「氷を砕く旅」を行った。安倍氏が今回、中日関係をどう処理するか見ものだ。(「環球時報」掲載)

 現在の中日関係の冷え込みの原因は領土問題にあるため、安倍氏はすぐに「氷を砕く旅」に出る可能性は薄いが、野田政権によって悪化した中日関係をさらに悪化させることはもっと出来ない、というのが大方の見方だ。恐らく安倍政権は、状況の変化に応じて客観的に得失を判断しながら中国との駆け引きを進めていくことになるだろう。

 中国に対する関連問題において、安倍氏には少なくとも2つの「呪縛」がある。1つは日本社会の深刻な右傾化で、民族主義が多くの政治家たちの「盟友」となっている点。もう1つは、中国の国力が急速に増大したことで、日本経済は中国経済のけん引が不可欠になっている点。この相反する2つの呪縛の狭間で、安倍氏は今後恐らくバランスを取っていくことになるだろう。

 安倍氏は16日の選挙で勝利した直後、釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題について「日本の領土である現状は絶対に変更しない強い意志を示したい」と表明した。このような早急な表明は民族主義の呪縛への降伏と迎合にほかならない。「釣魚島」問題の複雑性については安倍氏はこれ以上ないぐらいにはっきりと認識しているはずだ。しかし、16日のこの発言を聞くかぎり、安倍氏がこの複雑な問題に対して何らかの具体的な答えを引き出す意思があるようには見えない。

 日本の政治では、ほぼすべての政治家が「政治屋」と化している。短期決戦は日本政界の流行りであり、日本はまるで動力のない船のごとく、荒波の中で流れに任せて浮かんでいるだけだ。現在、中国はこのような日本に対し、戦略的行為に基づいて対応する術はなく、両国関係は対応が後手後手になり、両国ともに疲れ果てている。

 日本政権の人事に重要な変化が起こった際には、中国は常に「相手を味方につけたい」という願いを抱いてきた。しかし安倍氏の場合は、明らかに「言葉に耳を傾け、行動に目を向ける」という考えは念頭にない。安倍氏は日本で近年立て続けに起こった「1年総理」の先例を作った張本人であり、現在のように「出戻り」で首相になったからには、首相の座をいかに長く維持できるかが安倍氏にとっての最大の関心事だ。中国人からどのように評価されるかなどに関心はない。

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