<企画>ECは伝統的なビジネス構造を変えていく
【Eコマースが経済成長の新たな原動力に】
ネットショッピングの習慣を持つ顧客層が消費の主力となるに伴い、電子商取引の市場規模は年々大幅に拡大している。2003年の設立当初、中国最大のオンラインショッピングモールである淘宝網の取引額は年2000万元だったが、それから10年足らずで数十倍に膨れ上がった。[記事全文]
■中国は世界最大のオンライン小売市場になる
上海市嘉定区は近年、EC産業に力を注いでおり、京東商城、新蛋網、凡客誠品などの中国EC大手を誘致している。嘉定区のEC企業は2012年、取引額が前年比53%増の356億4000万元(約5346億円)に達した。
中国商務部(商務省)電子商務情報化司の聶林海副司長はこのほど上海で、「2012年の中国オンライン小売取引額は1兆元を超えた。中国は2013年に米国を抜き、世界最大のオンライン小売市場になる」と発表した。[記事全文]
【各企業 中国の莫大なEC市場を狙う】
■台湾EC事業者 大陸市場進出に意欲的
台湾の関連部門は、「中国語ECおよび交易安全推進計画」をスタートし、ECの国際化および産業競争力の強化により、台湾各社の大陸市場進出を促す。同計画を受け、台湾大手決済代行事業者の藍新科技(NEWEB)とECサービス企業の網勁科技は今年、それぞれ中国大陸部の京東商城およびきのこ街等の大型ECサイトと提携を実施した。[記事全文]
■外資系企業も 中国でEC事業を展開
3大外資系スーパーのウォルマート、カルフール、メトロの関係者は、Eコマースはスーパーの発展方向であり、実店舗の補助的役割を果すと表明した。[記事全文]
【ビジネス構造を変化 伝統的な百貨店が「試着室」に?】
オンライン通販の急速な台頭と同時に、伝統的な売場の業績成長が原動力を失っている。上海市商業情報センターがこのほど発表したモニタリングデータによると、2012年の全市55店の百貨店の総売上は前年比1.1%減の305億元(約4575億円)となり、2010年以来初のマイナス成長となった。
復旦大学電子商務センターの黄麗華主任は、「かつてならば、人々は実際に目にして触ったものでなければ購入しようとしなかった。しかし現在の消費者はネット上で十分な情報を得ることができ、オンライン情報が実際の商品と符合しないという問題が解消された。またオンライン通販は低価格で利便性が高いといった強みを持っており、伝統的なビジネス業態を脅かし始めている。一部の伝統的な商店は、見るだけで買わない『試着室』に成り下がっている」と指摘した。
京東商城の劉強東CEOは、「ECの伝統的なビジネスに対する影響は避けられない。特に国内オンライン通販の取引額が1兆元の大台を突破すると、EC業界は毎年数千億元のペースで成長しているが、そのうちの多くは伝統的な小売業から流れてきたものだ」と語った。[記事全文]
【変化を図る老舗】
ECの衝撃を受けた伝統的な百貨店が、オンライン進出を試みている。「新中国第一店」と呼ばれる王府井百貨集団は今年1月、巨額を投じて開設した大型総合ショッピングサイトが正式に運営を開始したと発表した。[記事全文]
【急成長を遂げているECに残った課題は?】
■法律の完備
EC事業における知的財産権侵害事件は少なくはない。EC事業関連の知的財産権に対する、明確な法的判決の根拠が必要とされている。
中国法院網が2月4日に明らかにしたところによると、北京市高級人民裁判所はこのほど「電子商取引における知的財産権侵害の紛争事件の審理に関する若干の問題に対する回答」を制定した。同規定は、中国の裁判所がEC事業の知的財産権問題を審理するための、初の専門的な規定であり、EC事業者は一般的な状況下、取引情報の合法性に対して監督責任を負わないことが明記された。[記事全文]
■物流の発展
eコマース分野の規模が徐々に拡大するのにともない、直面する最大の課題が、技術面での課題ではなく、物流輸送面での課題へと変わっている。物流はeコマース企業が中間層の需要にどれだけ効率よく応えられるかという点にとって極めて重要だ。相対的にみて、欧米諸国が物流分野で成熟した発展を遂げている。[記事全文]
(編集JZ)
「人民網日本語版」2013年2月25日