日本には、「山は富士 お茶は静岡 日本一」という川柳があり、静岡県の茶が富士山と並ぶ名声を得ていることが分かる。筆者はこのほど、この日本のお茶の里を訪問した。経済参考報が伝えた。
太平洋に面する静岡県は、日本列島中腹の東西が交わる場所に位置する。東京から新幹線を利用すれば、約2時間で静岡県掛川市に到着できる。現地には世界農業遺産の茶草場があるほか、東海道を守る歴史・文化名城、日本に現存する最古の木造天守閣を持つ掛川城がある。
静岡の茶栽培は、中国との間に深いつながりを持つ。僧の聖一国師は1241年に、宋朝から故郷の静岡に種を持ち帰った。これは日本のお茶の里の成り立ちだ。明治時代に、政府の士族が大量の茶畑の開墾を任され、さらに清水港が開港したことで、静岡茶の名声が高まった。農林水産省が発表した最新データによると、静岡の茶畑の面積は日本全国の40%を、粗茶は39%、茶葉の生産量は37%を占め、いずれも全国一となっている。
静岡県内の5カ所は、国連食糧農業機関(FAO)の「世界農業遺産」の「茶草場農法」作業区として認定されている。「茶草場農法」とは、茶畑周辺(草場)で刈り取られたススキやアシを茶畑の有機肥料にすることだ。この農法は良質の茶の栽培に適しており(「東山深蒸し茶」は日本一の健康茶と称される)、草場の新陳代謝を促進し、草場の生物の多様性を保護することができる。
静岡県中西部に位置する牧之原市は、日本屈指の茶の産地だ。牧之原市の茶の起源については、並々ならぬ物語がある。当時茶畑を開拓したのは徳川幕府の武士であり、今日の遠近に名の知れ渡った「静岡牧の原茶」の祖となった。