静岡県の推進を受け、静岡市の静岡県コンベンションアーツセンターは2009年より「世界お茶まつり」を開催している。これには世界茶葉見本市、世界緑茶品評会、世界茶道大会、国際O-CYA学術会議などが含まれる。見本市と茶道大会は世界各国の茶葉を集め、各国のお茶愛好家が品評会を開き、お茶、お茶と菓子の組み合わせ、茶道の礼儀などについて交流する。国際O-CYA学術会議は世界の茶葉研究者の最新の成果を発表し、世界茶葉市場の発展の拡大を模索する。
筆者が2013年に見学した第5回世界お茶まつりでは、お茶の受賞作品が発表され、各国の伝統的な茶器と茶具が展示された。製茶会社の雅正庵は「壺切茶」と呼ばれる儀式を披露した。壺切茶は製茶会社が毎年11月に、同年の新茶を飲む時に執り行う儀式だ。4月下旬より摘まれる新茶は指二本ほどの厚さになるよう紙に包まれ、下に行くほど幅が広くなる壺に密封される。紅葉が始まる頃になると茶師が壺の口を切り、新茶の味を確かめる。雅正庵の女性茶師はお盆に、壺から出されたばかりの新茶と、茶の品種と茶摘みの日時が書かれた「日記」をのせ、筆者に見せてくれた。紙を隔ててはいたが、茶の香りが漂い、心に染み渡るような思いをした。
静岡県はお茶を徹底的に開発している。静岡県文化・観光部は「お茶の都の旅」と呼ばれる観光路線をPRしている。静岡市はお茶巡りのガイドブックの中で、現地の主な製茶会社とカフェを表記しており、さらに付近を通過する交通網を設けている。お茶の試飲、和菓子の試食、茶葉を使った香料や茶香炉などのお茶関連商品を体験でき、お茶料理を味わえる。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年3月25日