日本の内閣府がこのほど発表した最新のデータによると、2013年の日本の経済成長率は1.5%だった。総務省のデータでは、13年のインフレ率は0.4%で、09年以降で初めて物価が上昇局面に転じた。日本銀行(中央銀行)の政策委員会が14年1月にうち出した予測値では、インフレ率は14年が3.3%、15年が2.6%となっていた。ここからわかることは、日本はすでにデフレの影から脱したということだ。「経済日報」が伝えた。(文:徐奇淵・中国社会科学院世界経済・政治研究所国際金融研究センター研究員)
日本は中期的・短期的には再びデフレに陥る可能性は少ないが、これは安倍政権がうち出す経済政策「アベノミクス」が成功間近だということではない。それどころか、アベノミクスはデフレ問題を解決すると同時に、より大きなスタグフレーションのリスクをもたらしつつある。スタグフレーションのリスクは主に次の点に現れている。
短期的にみれば、スタグフレーションのリスクを引き起こすポイントは次の2点だ。
(1)消費税率引き上げが経済をペースダウンさせ、物価を上昇させる。14年4月、日本は消費税をめぐる改革の難関を迎え、税率が5%から8%に引き上げられる。引き上げによる打撃への緩和策がうち出される予定だが、短期的には消費需要は駆け込み消費に回り、引き上げ後は消費が抑制され、日本経済は低迷を免れないとみられる。また消費税率の引き上げにより、消費者物価指数(CPI)が上昇するとみられる。最近の日銀政策委員会のメンバーがうち出した予測値をみると、14年は消費税改革だけでインフレ率への貢献度は2%に達するという。これはつまり、インフレの大部分が消費税改革からくるということだ。
(2)円安が輸入コストの上昇をもたらし、さらには供給プロセスにマイナス影響を与え、インフレを一層加速させる。国際大口商品は米ドル建てで価格が設定されており、日本は長年にわたり大口商品への輸入依存度が極めて高く、12年にはエネルギー自給率が13%まで低下した。そこで円レートが20%以上下がると、輸入コストが著しく上昇し、インフレを引き起こすことになる。今年1月、日本の鉱物性燃料の輸入額は前年同月比22.6%増加し、このうち20.1%は価格上昇による増加だった(主に対ドル円安によるもの)。だが安倍政権が予想したのは、需要の回復がもたらすインフレで、輸入コストの上昇がもたらすインフレは計算外だった。まさしくここに問題がある。
日本国内の供給状況をみると、スタグフレーションのリスクにより注意を払う必要がある。