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自動車軽量化 炭素繊維の活躍に期待

 中国初となる、炭素繊維複合材料のボディを採用したダンプ車が、今年年初にラインオフした。同車両の全長は8.6m、積載重量は50t、自重は4.8tで、金属製のボディを採用したダンプ車の71%の重量となっている。これは複合材料が国内大型車両に応用された初のケースで、自動車軽量化分野における中国複合材料の応用技術が新たな進展を実現し、炭素繊維応用の道が開けたことを意味する。経済日報が伝えた。

 ◆自動車軽量化のすう勢

 自動車軽量化とは、自動車の強度と安全性能を保証することを前提とし、自動車全体の重量をできる限り引き下げることで、自動車の動力性能を高め、燃費を良くし排気ガス汚染を減少することを指す。研究によると、自動車全体の重量を10%軽量化した場合、燃費は6−8%改善される。自動車全体の重量が100kg減少するたび、100km当たりの燃料消費量を0.3−0.6リットル引き下げることが可能だ。自動車の重量が1%減少すると、燃費を0.7%抑えることができる。また車両の重量が100kg減少すると、1km当たりの二酸化炭素の排出量を約5g削減できる。専門家は、「自動車産業は現在、資源・環境面の深刻な課題に直面しており、自動車軽量化の推進は世界自動車発展のすう勢となっている」と指摘した。

 自動車軽量化の実現に向け、炭素繊維に期待が寄せられている。炭素繊維は加工の際のエネルギー消費量が少なく、軽量かつ強度が高く、さまざまな形に設計でき、防腐性が高く、成形も容易というメリットを持つ。炭素繊維は軽量化の理想的な材料となっており、特に電気自動車で幅広い応用の余地が残されている。

 中機系(北京)情報技術研究院産業計画所の研究員の毋剣波氏は、「軽量化・燃費向上・環境保護は、自動車産業の重要な指標だ。そのため炭素繊維の自動車産業での応用は、世界各国の政府と関連企業から重視されている。米国は毎年約2億ドルを投入し、自動車の車体軽量化に向けた5カ年発展計画を推進している。日本の日産やホンダも東レと提携し、自動車のボディに用いる新型炭素繊維材料を開発している。推算によると、2019年の自動車産業の炭素繊維の需要は、9300トンに増加することになる」と語った。

 中国にとって、自動車軽量化はさらに大きな意義を持つ。中国は自動車消費大国で、2012年末時点の全国自動車保有台数は1億2000万台を超え、年間1510万台のペースで増加しており、この流れは今後も継続すると見られる。これほど大量の自動車保有台数は、エネルギーと環境に巨大な圧力を形成している。今年発表された「中国低炭素経済発展報告」によると、北京・天津・河北省のPM2.5の主な排出源のうち、自動車の排気ガスと道路の砂塵が50%を占めた。中国環境保護部が発表した関連報告もまた、自動車の排気ガスが一部の中・大都市の主な大気汚染源になっていると指摘した。中国政府は2020年までに、GDP1万元あたりの二酸化炭素排出量を、2005年比で40−45%削減することを表明した。これは非常に困難な任務だ。中国化学繊維工業協会の端小平会長は、「これにより、自動車用炭素繊維複合材料の発展を促す巨大な市場が形成された」と指摘した。(編集YF)

 「人民網日本語版」2013年9月4日
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