中国国内の空白を埋める10トン級中型多用途ヘリが23日午前、中国東北地区北部の某空港で初飛行に成功した。メディアと軍事マニアの注目度は高く、同機を「直-20」と称している。専門家によると、直-20はまだ正式に配備されていないため、正式名称が存在しない。しかし今回の成功は、同機が将来的に中国のヘリ装備の主力になる可能性を示している。京華時報が伝えた。
中国陸軍航空兵は創設当初、輸送ヘリのみを中心としていた。その後少数の武装ヘリ「ガゼル」を導入し、「直-9」シリーズも部隊に配備された。しかし作戦方式が長期的に地上作戦の支援に留まっていたため、空中突撃の主力になれなかった。武装ヘリ直-10・直-9の就役により、中国陸軍航空兵の偵察・攻撃ヘリ不足の局面が覆されたが、中国には10トン級の多用途ヘリによる突撃・空輸・後方支援が不足していた。
軍事専門家の房兵氏は、「専用のヘリにはならないが、多くの用途を持つ。中型多用途ヘリの中型とは、10トン級という重量を示している。多用途ヘリの真の特長は、空輸、ミサイル搭載、火力支援が可能な点であり、陸海空軍の空白を埋めることができる」と指摘した。
◆直-20は仮の名称
10トン級多用途ヘリの初飛行の情報が伝わると、ネット上の多くの軍事ファンの注目を集めた。多くのサイトも同情報を伝え、同機を「直-20」と称した。
軍事専門家の杜文竜氏は中国中央テレビ(CCTV)の取材に応じた際に、「名称はまだ確定されていない。直-20は、直-10・20・30に基づく憶測だ。10トン級多用途ヘリは現在、一つの製品もしくは試作機にすぎない。軍側による命名は、部隊に配備されてからになる。配備されてから、正式な兵器として認められる」と語った。