▽中国はもっと積極的に役割を果たすべき
FTAAPの実現はウィン・ウィンの戦略と言える。霍院長はFTAAP実現における中国の役割について、次のように述べた。
FTAAPは、中国に欠けていた「スマイルカーブの両端」をもたらすことになる。中国は現在、製造の部分に留まっており、バリューチェーンにおける付加価値は比較的低い。FTAAPの実現を推し進めることは、産業チェーンの川上と川下をつなげ、中国の産業の影響力を拡大することにつながる。バリューチェーンにおいてより良い位置を占めることができ、中国の国内産業のモデルチェンジとアップグレードが推進される。
APEC加盟国は発展段階がまちまちで、政治・経済条件も異なる。このため、FTAAPの実現においては先進国と発展途上国の異なる要求に配慮し、意思疎通・協調を十分に行う必要がある。中国はこの面でもっと積極的な役割を果たすことができる。
例えば、貨物貿易のゼロ関税について、TPPは関税撤廃を約束する品目の割合(自由化率)を95%まで上げる方針で、これはかなり高い割合だ。しかし中国は開放の程度をやや下げ、90%と主張することができる。また、サービス貿易、投資協定、規制・制度、中立的な競争政策、企業の社会的責任などの面でも、中国はFTAAPを推進する国として、より積極的な役割を果たすことができる。(編集SN)
「人民網日本語版」2014年5月19日