通報先は「spam@icloud.com」で、専門家が処理する。とはいえ、通報するにはスクリーンショットで迷惑メッセージの画像を撮影し、メッセージの出所を記し、電子メールで送付するというプロセスを踏まなければならない上、利用者は毎日何件も出所の違う迷惑メッセージを受け取るので、逐一通報するにはかなりの労力を要する。よって利用者からの通報をあてにして何とかしようとするのは、実際のところ現実的とはいえない。
iPhoneユーザーにとって頭の痛いもう一つの問題として、新バージョンのOSにはiMessageに対するブラックリスト機能があるものの、迷惑メッセージは基本的に1件ごとにアカウントを微妙に変えて送られてくるので、実際には役に立っていないということがある。
▽業界の知られざる秘密 3-10日でコスト回収が可能
一般の迷惑メッセージと同じく、iMessageの迷惑メッセージの背後には、驚くべき利益を上げる産業チェーンが隠されている。
iMessageで迷惑メッセージを送るには、主に2つの方法がある。一つは送り手が中古のiPod touch(アップルのiOS設備を搭載した最も低価格の製品)を大量に買い入れ、ここを発信源として他のiOSユーザーに迷惑メッセージを送るというやり方だ。もう一つは専用の発信装置を買い入れ、ネットワークとディスプレーに接続し、アップルユーザーに自動的にメッセージを送るというやり方だ。
一連のiMessageの広告配信代行業者に尋ねたところ、メッセージ送信に費やしたコストは基本的に3-10日で回収できる。専用の発信装置は2万元から3万元するが(1元は約16円)、一日に数万件のメッセージを送れるので、基本的に10数日でコスト回収ができる。こうした業務に携わる関係者によると、他の携帯電話のショートメッセージと比べると、iPhoneユーザーの消費力はより大きいため、広告主もよりたくさん広告を打ちたがるのだ。