2014年6月25日  
 

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中国アニメは伝統影絵「皮影戯」にヒントを得てはどうか

人民網日本語版 2014年06月25日08:19
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近年、日本や韓国、米国などのアニメばかりが中国で大人気になり、中国国産のアニメ産業の今後を懸念する声が上がっている。そんな中、ある専門家が、「中国の民間芸術である影絵芝居『皮影戯』を使って、中国のアニメ産業を救う」ことを提案し、注目を集めている。人民日報が報じた。

民間工芸美術と戯曲をコラボさせた「皮影戯」は、中国で最も早くからある「アニメ」ということもでき、美しい歌、人を魅了するその演技に、中国民間芸術ナンバー1という声もある。「皮影戯」には、中国人の造形・物語・音楽制作などの知恵が隠されており、アニメの製作にも一役買うという見方もある。例えば、顔のくま取りや服装、声音などは、アニメ事業の発展に直接的な資源としての価値をもたらす。中国で大ヒットした京劇仕立ての劇場用カラー長編アニメーション映画「大暴れ孫悟空(原題:大鬧天宮)」(1961年)も、「皮影戯」のさまざまな要素を取り入れていた。

世界のアニメ界では、代表的なキャラクターを作り出そうとすると、多大の努力が必要になるが、中国には豊富な資源を誇る伝統芸術があり、それを活用して少し手を加えれば、少しの労力で大きな成果を見込むことができるはずだ。「三個和尚(3人の僧侶)」や「小蝌蚪找媽媽(おたまじゃくし お母さんを探す)」など、成功したアニメの多くが中国の伝統芸術を元にしており、世界でも多くの賞を獲得している。

中国のアニメ産業を発展させるためには、オリジナルを作らなくてはならず、そのリソースを「皮影戯」などの民間芸術に求めることができる。民族的特徴のあるアニメほど、注目されるはずだ。もちろん、「皮影戯」からインスピレーションを得るというのは、何も変えずにそのままコピーするということではない。伝統を継承する時にも、「新しい物を作る」という考えが必要だ。日本のアニメを例にすると、他の国や民族の要素を自分達の文化リソースに変え、独特のアニメを形作って成功している。例えば、米国のトランスフォーマーシリーズのコンボイが「ガンダム」に、中国の孫悟空が「スーパーサイヤ人」にという具合だ。日本が、さまざまな国の代表的な芸術から、新しいものを作り出すための要素を発掘する点で長けているのは、注目に値する。

アニメは現代の子供に合ったものにしなければならないため、「皮影戯」のような伝統的なものは受けないのではないかという声もある。しかし実際には、「皮影戯」は長い歴史を経た今も時代遅れではなく、反対にそのユーモアや素朴さを現代的な中国式アニメに変えることができる。昔から、老若男女問わずに人気となっていた「皮影戯」を軽視する必要は全くない。必要な要素を掘り出し、それをうまく宣伝すれば、必ず大人にも子供にも受ける作品ができるはずだ。

中国は数千年の歴史と豊富な民間芸術を誇る。それは、豊富な資源宝庫でもある。「皮影戯」の生き生きとしたイメージやユーモア、荒々しさの中にある素朴さ、ロマンなどは、他にはない特徴だ。伝統の中にある文化の精華を掘り出し、中国独特のアニメを作り出すことで、伝統的な「皮影戯」が光を浴び再び活力を得ることを願っている。(編集KN)

「人民網日本語版」2014年6月25日

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