現在の中国人消費者にとって、贅沢とは単に「持つ」だけのことではなくなった。中国人富豪の間で今、「贅沢を体験する」という需要が日増しに拡大しており、ここに商機を見出す企業も増えている。宝石商からオークション、ワイン業者に至るまで、多くの高級品取り扱い業者が講座や体験活動を開設し、一流の知識を身につけて世界級の鑑賞家になろうとする大陸人のために、オーダーメイド型の体験を提供している。6月17日付香港紙「南華早報」の記事「富を持つだけでは足りない時:中国人富豪、富をひけらかすため贅沢な体験を求める」を引用し、環球時報が伝えた。
フランスの某宝石商は、10月下旬に香港で、2週間の宝石加工講座を開設すると発表した。学費は6200香港ドル(約8万1500円)で、設計図の作成、宝石の識別、艶出し、はめ込みなどの内容が含まれる。同社の責任者は、「自らデザインした作品を持って講座を終えることになる。娯楽的な内容が含まれるが、教育的な意義がある」と語った。
某酒造メーカーは2週間前、ボルドーで中国人に造酒を体験させた。参加者は、ブドウの収穫、ラベルのデザイン、瓶詰めなど、すべての工程を試すことができた。学費は樽一つ分で6900−1万2000ポンド(120万―208万6千円)だ。同社の関係者は、「この体験活動は、中国人観光客の『究極の贅沢』という独特な願いを叶えるものだ。彼らはこのような独自性を好む。半数の参加者は知識を学ぼうとし、残りの半分は自分だけのワインを手にしようとしていた」と述べた。
美術品愛好家の間でも、講座が大人気となっている。オークションハウスを経営するサザビーズの美術学校「Sotheby's Institute of Art」は中国初のキャンパス設立に着手する。競争相手のクリスティーズは2011年、芸術品に関する知識を教える講座を開設した。
ボストン・コンサルティング・グループの報告書によると、観光、グルメ、芸術品のオークションといった贅沢な体験活動は、すでに世界高級品消費額の55%を占めている。その年間売上の増加率は14%に達しており、高級品の11%を上回る。中国人富豪の高級品を理解しようとする意欲は、欧米人を上回る。上述した酒造メーカーの関係者は、「中国人の高級品を理解しようとする熱意と願望は摩訶不思議だ」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年6月23日