南開大学の原新教授は、10日に行われた国家衛生・計画出産委員会の定例記者会見で、中国では30年余りにわたって出生の性別が大きく偏り、多く生まれた男児は2400万人から3400万人にのぼるとの見解を示した。こうした先天的で根本からの性別不均衡は、中国人の結婚や就業などの性別構造にも今後、必然的に影響を与えるものと見られる。新華網が伝えた。
原教授によると、出生人口の性別比は、女児100人に対して男児103人から107人が通常だが、中国では1982年に107.2だったのが上昇を続け、2004年に121.2のピークに達した。2009年からは120以下に下がっているが、下降速度は非常に遅く、5年で2.96ポイント下がったにすぎない。2013年の中国の出生人口性別比は117.6で、依然として世界最高水準にあり、持続期間も最長で、影響を受ける人口も最も多い。
中国の出生人口の性別比の偏りの根本原因は、経済・社会・文化などの要素による男児偏重にある。直接的には、医学的に必要ない胎児の性別鑑定と性別を理由とした人工妊娠中絶がこの偏りを生み出している。出生人口の性別比の長期的な偏りは、女児の生存権を奪い、婦女の心身の健康を損なうだけでなく、男性の結婚難などの社会問題にもつながり、人口の長期的な均衡発展を阻害し、人口の安全と社会の調和・安定に影響を与えることとなる。
「これは非常に深刻な問題だ」と原教授は注意を呼びかける。の推移に伴い、出生性別比の偏ったこの世代の人々が青年期に達すれば、結婚や就業の必要が生じ、問題は一層顕在化し、高度の重視を余儀なくされることとなる。
国家衛生・計画出産委員会計画出産基層指導司の楊文荘司長によると、出生人口性別比の偏りの問題に対処するため、同委員会は関連部門と共同で、出産前の性別鑑定とこれを理由とした妊娠中絶に対する取り締まりを拡大し、性別比の特に偏った地域に対する監督指導・検査を強化し、9400件余りの調査・処置を行った。
また2013年、特別支援金を受け取った計画出産特殊困難支援対象(一人っ子が死亡したり障害を負ったりした上、二人目の出産や養子縁組を行っていない家庭の両親)は全国で67.1万人だった。このうち一人っ子が死亡した支援対象は40.7万人、家庭は約27.5万戸だった。(編集MA)
「人民網日本語版」2014年7月14日