今回、知的財産ライセンス契約において、如何なる「技術の利用に係る制限行為」が独禁法により問題視されるかを中心に、「関於知識産権領域反壟断執法的指南」意見募集第5稿(以下「募集稿」という)上の禁止規定(下線付)を列挙しながら、詳しく説明する。
二、「指南募集稿」上の規定
(一) 一般類型のライセンス契約
1.競争者間のライセンス契約(「募集稿」第13条)
①ライセンス費又は知的財産製品の販売価格を固定又は変更する行為
説明:
販売価格の固定行為は、競争を減殺する主要手段であり、その主要な目的は競争制限に他ないので、現在、諸国の独禁法により禁止される。この点を更に論じる必要がないが、問題なのは、如何なる行為が販売価格の固定又は変更する行為に該当するかということにある。「募集稿」にもこれを明確に定めていない。
実務上には、販売価格の固定行為に該当する行為の形式が多種多様であり、販売価格への固定行為の他に、価格変動の幅、最高割引額を固定したり、又は同一の価格リストを採用したりすることは、販売価格の固定行為にも該当し、禁止されている。また、ライセンシーの販売価格が某価格を下回る場合、ライセンサーがライセンス費を引き上げられるという合意行為が販売価格の固定行為にも該当する。なぜかというと、これにより、ライセンシーの某価格以下の販売意向がなくなり、結果として某価格への固定行為と同一からである。