7月は大学の新卒者による住宅賃貸のピーク期で、社会人にとっては契約更新のピーク期でもある。昨年より友人と北京師範大学付近で2DKをシェアリングしている余さんは、「不動産市場は不景気なので、大家が家賃を引き上げる可能性は低いだろう」と落ち着いていた。しかし契約更新の時期になると、大家は家賃を昨年の毎月4400元(約7万2千円)から4800元(約7万8600円)に引き上げ、相談には応じないと言い放った。北京日報が伝えた。
これは珍しいケースではない。記者が北京市の約10カ所を調査したところ、各地の住宅価格は1年前のような「1ランク上」の価格にはなっていなかったが、周囲の下宿人にこの「利益」は及んでおらず、契約更新で家賃が200−400元(約3300-6600円)上乗せされた。その原因は何だろうか?
家を賃貸している弁護士の柴さんは記者に、「2012年7月に卒業すると、2人のルームメイトと車公荘の3DKに引っ越した。家賃は最初から割高だった。賃貸時は毎月5800元(約9万5千円)と取り決めていたが、昨年は6000元(約9万8千円)に引き上げられた。今年7月になって、大家に再び値上げ交渉をもちかけられ、『あなたとは上手くいっているから、6200元(約10万1500円)で手を打とう』と言われた」と不満を漏らした。柴さんは家賃の続騰が不可解であったが、友人と話をすると、彼らが家賃に費やすお金も同じように毎年増加していることが分かった。
索家墳に住む周さんだけが災難を免れた。彼女は大家と当時、2年間の契約を結んでいたからだ。大家はこの決定を後悔し、「家を賃貸に出すのは初めてで、1年契約を結ばなかった。下宿人は得をしたわけだ、どこも値上げしているのだから。本来ならば今年は少なくとも200−300元引き上げるべきだった。今後は1年契約の下宿人だけ受け入れよう」と語った。
不動産大手・鏈家地産の仲介業者である潘氏は記者に対して、「このほど賃貸を求める人が多くなっているが、当店の価格を見せると、住宅価格が低下したのに家賃がなぜ高いのかと聞かれる。しかし住宅市場の冷え込みは今年2−3月からのことで、当店の物件は昨年同期もこの価格だった」と述べた。