韓国は中等強国であり、大国に囲まれているうえ分裂状態にある朝鮮半島に位置する、というのが韓国人の一致した感慨だ。「もし朝鮮半島が統一されれば、2040~2050年には8000万の人口を擁する世界第7の経済大国になる」、というのが韓国人の一致した期待だ。(文:王義桅・中国人民大学国際問題研究所所長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
各国には当然各々の感慨と期待がある。相手国の感慨と期待に効果的に応じることが、外交成功の鍵だ。中国外交において大国、BRICS、発展途上国はいずれも一部を占め、中等強国も一部を占める。中国にとって韓国は対中等強国外交を展開するうえでの足がかりでもある。この位置づけをしっかりと把握すると、中韓関係には一層の掘り起こしが待たれる3つの戦略的意義がある。
第1に、国際秩序の意義。将来の国際秩序の行方を決定する中堅勢力であるG20は大きく3種類の国々に分けられる。G7、BRICS、中等強国だ。G20成功の鍵はこの3種類の国家間の有機的結びつきを構築し、協同発展の局面を形成することにある。 中国は典型的な新興大国、韓国は典型的な中等強国だ。もし韓国が中等強国ネットワークの構築に参加し、G20内でBRICSとの協力対話メカニズムを構築すれば、G7の戦略圧力に効果的に対処し、新興大国と中等強国により有利な方向への国際秩序の発展を促すことができる。
第2に、地域秩序の意義。中国はシルクロード経済ベルトを提唱し、韓国もユーラシア大陸の入り口となる構想を打ち出したことがある。このため中韓は将来のアジア欧州経済地域化の過程で戦略的協力を展開することができる。特に今年末に締結が予定される中韓FTAは、中国にとって最高水準、最大規模のFTAになる可能性がある。これによって東アジア協力体制における両国の戦略的協力は深まる。アジア欧州、東アジア地域の秩序の構築において、米国の役割と影響力を見定め、その妨害を減らすことは難点であると同時に重点でもある。米国のアジアにおける同盟システムの一部である韓国がアジア太平洋の平和に資する積極的役割を発揮することには先導的、模範的意義がある。