ファッション業界はかつて、男性のセクシー度を決定づける2大キーワードとして、「スポーツ・運動」と「清潔さ」を取り上げた。この2つの要因は、公共の場における男性のスタンスを決定づける。「スポーツ・運動」の要素が薄い場合、当人の健康度のアピールに不利となり、「清潔さ」は、文明社会において個人が本来備えるべき生活上の基本資質だ。
インフルエンザが流行するたびに、医学専門家は、「公共の場に行く際には、感染予防のためにマスクを着用すること」とアドバイスする。中国人はマスクをする習慣はないが、日本ではとても普及している。より重要なポイントは、中国人は「自分の体内に菌やウィルスが侵入しないように」マスクをつけるが、日本人は、「自分がひいた風邪を他人に移さないために」マスクをつけるという違いだ。
「他人様に迷惑をかけない」は、日本人の生活信条となっている。地下鉄の車内では、大声で話をしないよう心掛ける。もしレストランで自分の携帯が鳴り響くと、顔を真っ赤にして音を消す。食事を終えて席を立つとき、椅子をテーブルの下に戻し、他の人の邪魔にならないように心を配る。公共の場に出るときには自分の身なりをきちんと清潔に整えることも、「他人様に迷惑をかけない」ための重要なポイントの一つであり、決していい加減では済まされない個人の習慣なのだ。
このような角度から見ると、中国人女性が反感を抱いている中国人男性のむさ苦しさや無気力さは、小さく言えば、男性が自分自身を甘やかしている、さらには諦めの境地に陥っている現れであり、大きく言えば、中国の儒学が提唱する「克己復礼(自分の欲望を抑えて礼儀にかなった行動をとること)」に離反している。社会の構成要員である個人として、「己の欲望に打ち勝つこと」は、どの社会の構成員にとっても、自らに課された社会貢献であり、「己の欲望に打ち勝つこと」によって、個人も社会もともに、それぞれの利益を享受することができる。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年7月29日