今月11日から20日にかけて中国の「自動車の街」と言われる吉林省長春市で開催された第11回長春自動車博覧会では、世界各地の152の自動車ブランドが展示した1千台を超える自動車のうち、ミドルクラス車が大きな部分を占めた。「新華網」が伝えた。
フォルクスワーゲン(VW)のマゴタン、パサート、ティグアン、トヨタのカムリ、RAV4、ホンダのアコード、CRV、また一汽集団のベスターン(奔騰)、紅旗、長安汽車のRAETON(睿騁)などは、いずれもメーカーのミドルクラスの主力車種で、消費者に人気がある車ばかりだ。
長安市民の陳旭さんは価格20万-30万元(1元は約16円)のミドルクラス車を買おうと思ったが、博覧会の会場を一巡して考えを変えた。BMW、ベンツ、アウディ、レクサスといった高級車ブランドも30万元以下の車種をうち出している。価格が接近しているのだったら、知名度の高い車を選ばない理由はないという。
中国では陳さんのような消費者が少なくない。実際、価格30万元以下の高級車ブランドの「入門クラス車」がますます多くなり、モーターショーなどで販促の時期になると、特に中国現地生産が実現している場合、価格はより安くなる。
乗用車を希望する場合、レクサスCR200h、アウディA3、BMW316i、ベンツA180などが選択肢に入ってくる。スポーツ用多目的車(SUV)であれば、アウディQ3、BMWX1などが選択肢に入ってくる。あと数カ月待てば、新たに発売されるインフィニティ傘下の小型SUVが新たに選択肢に加わる。
現在の中国自動車市場では、ますます多くの高級車の入門クラス車がミドルクラス車市場に参入している。国内外のメーカーは広大な中国市場を利益を得られるかどうかの重点とみなし、業界では「ミドルクラス車市場を制覇した者が天下を取る」といった言い方がなされてきた。
中国の消費者の習慣を踏まえれば、15万元前後から35万元前後の価格の車を一般的にミドルクラス車と呼ぶ。高級車の入門クラス車は装備は同価格帯の一般ブランド車にかなわないが、高いブランド力を背景に人気を集めている。