長期の赤字に苦しむソニーが「スリム化」とリストラによる復活をはかっている。ソニーグループは8月、コスト削減計画を始動し、社員からの早期退職者の募集を始める。関連部門の支出を2015年度までに30%削減する計画だ。業界専門家によると、これは事実上の人員削減で、現在のソニーにとっては赤字脱却のための手っ取り早い方法と言える。だが着実な発展の軌道を回復するためには、製品やビジネスモデル、構造など様々な分野での革新が必要となる。「北京商報」が伝えた。
ソニーによると、業務の再編とコスト削減の重要な措置の一環として、ソニーは8月から、東京本社での早期退職募集計画を始動し、本社の設計・財務部門の社員を対象に早期退職者を募る計画だ。
早期退職者募集の対象は、勤続10年以上の40歳以上の社員で、管理職は45歳以上とする。募集は10月まで行われる。ソニー側は具体的な人数は設定しておらず、流通や調達の部門の社員も早期退職を申請できる。早期退職を申請した社員に対しては、勤続年数や社内のポストなどに応じて割増退職金を支払い、再就職の支援も行う。
ソニーは、販売会社のコストを20%削減するとしているが、これは、中国市場を含む世界全体の目標となる。中国市場での具体的なコスト削減については、ソニーは明らかにしていない。
だがソニー中国の栗田伸樹総裁によると、コスト縮小の目的は、業務全体の運営効率を上げることにある。それぞれの市場は発展段階や成長潜在力、業務の位置付けなどが異なり、削減計画が一律に適用されるわけではない。中国市場は、その規模からしても、2013年度のソニーグループの利益への貢献度からしても、重要な意味を持っている。ソニーグループは現在、より多くの資源配置と業務を中国に置き、中国の分厚い人的資源の蓄積を活用しょうとしている。
ソニーグループによると、まもなく始まる早期退職募集計画は、2014年度の電子業務の構造改革の一環であり、2015年度に利益による成長を実現する土台を築くためのものだ。
中国家電商業協会営業委員会の洪仕斌・執行会長によると、企業が赤字の泥沼に陥った時にまずすべきなのは黒字への転換である。そのための最も簡単な方法はスリム化や資産売却で、その後、企業自体の持続的な造血機能の回復・改善を進める必要が出てくる。ソニーはこうした動きをスムーズに取ることができておらず、6年間に5回の赤字を計上し、未だに赤字の泥沼から抜け出せずにおり、自己救済措置の第一歩に位置している。着実な発展への軌道への回復の道のりはまだ遠い。(編集MA)
「人民網日本語版」2014年7月28日