あなたが何をしていても、科学技術があなたの邪魔をし、新たな記憶を定着させにくくする。情報は人間の脳に記憶されるには、短期記憶から長期記憶に変わる必要がある。このプロセスが何らかの中断を受けると、例えば本を読んでいる時にメールやショートメッセージのために中断すると、脳の中で記憶になっていない短期記憶が抹殺される。
(4)ネットに記憶を頼る。
過去の人間は知識を心に刻むことを心がけたが、科学技術の出現はそうする必要性と原動力を抹殺した。グーグルや携帯電話が自分の代わりになることを知った以上、記憶しようとは思わなくなる。
(5)以前より忘れっぽくなる。
調査結果によると、「ミレニアム世代」(1984年から1995年生まれの人間)は50代の人間よりも、今日が何曜日か、カギをどこに置いたかなどを忘れやすいという。家庭セラピストのパトリシア・グーテンターグ(音訳)氏は、科学技術の弊害の最たるものは、「科学技術を使って多くの任務を処理する中で育った世代の人間が、いつも睡眠不足になることで、そのため彼らは物忘れがひどくなっている」と指摘する。
(6)集中して読むことができなくなる。
気を散らすようなものを全て排除したとしても、インターネットを閲覧して吸収した情報量は紙の本には及ばない。この差異はインターネット時代のハイパーテキストという閲覧体験によるものかもしれない。ネットの文中に分布する様々な色の小型のリンクは人間の脳を消耗させ、続いて脳が閲覧した内容を処理するエネルギーが減少してしまう。ノートパソコンやiPadを使って閲覧しても、リンクの有無に係わらず、人間の理解力を弱めてしまう。