中国の王毅外交部長(外相)は先日「北京APEC:中国は準備が整った」と題する基調講演で「われわれはホームグラウンドの利を利用して、民主的で透明、十分な協議を踏まえて、中国の声を積極的に発し、中国の構想を打ち出し、中国の知恵を提供する」と表明した。中国新聞網が伝えた。
中国が主催国を務めることは、普通の中小国とは異なる意味を持つ。北京大学国際関係学部副学部長、雑誌「国際政治研究」編集長の王逸舟氏は中国新聞網の取材に「主催国として中国は確かに多くの心血を注いできた。今回の会議がAPECの歴史において新たな一里塚となり、特にアジア太平洋地域各国の相互協力の促進、アジア太平洋経済互恵・ウィンウィンモデルの構築の面において、新たな後押しとなることを希望する」と表明した。
王氏によると、世界第2のエコノミーとなった中国には、これを成し遂げる能力がある。「今回の会議で、中国は魅力攻勢をさらにかけ、中国さらには東アジアが世界経済の次の発展において引き続き重要な役割を果たすということを各国に示す。これは13年前との最大の違いでもある」。
中国人民大学国際関係学部副学部長の金燦栄氏は「議長国の重みは、会議の重みを増す。中国にとって、これが今年最大の外交の山場でもあることも間違いない。このように重視するのは、ホームグラウンド外交、周辺外交、経済外交など各面を包含しており、多くの働きをすることができるからだ」と指摘した。
APECの提供する多国間外交の舞台以外にも、今後1週間で複数の国々の首脳が訪中活動を行う。また、会議の開催を利用して行われる中国と外国との多くの二国間会談も重要な注目点だ。報道によると、中米首脳会談以外に、ロシアのプーチン大統領もAPEC会議に出席する。中国外交部(外務省)の発表によると、カナダの首相、メキシコの大統領、チリの大統領、ペルーの大統領などもAPEC会期中に訪中する。こうした集中的に行われる「会議の中の会議」も、中国の「ホームグラウンド外交」を一層豊かで立体的なものにする。(編集NA)
「人民網日本語版」2014年11月5日