開放の加速が迫る改革の深化 (2)

　アジア太平洋自由貿易圏（FTAAP）プロセスはすでに始動した。これは漸進的、包摂的な高水準の地域自由貿易体制であり、中国は発起者として推進継続の責務を担っている。だがこれは、重大な国際体制の構築をリードする中国の能力にとって、かつてない挑戦でもある。この重大な責務を担い続けて、国際体制の一般の参加国から新たな国際体制をリードする国へと変わる。これは中国が新世紀の国際リーダーシップを確立する分水嶺となる。

　FTAAPは現在の世界貿易機関（WTO）体制のアップグレードだが、各国・地域の発展の現状が異なることを考えると、急進的な自由貿易化を避ける緩衝器でもある。従って、FTAAPは中国の発展に適するだけでなく、自由貿易を受け入れる能力における先進国と途上国との違いにも配慮するものとなる。アジア太平洋地域におけるこの重大な調整の責務を中国が担うのは、この上なくふさわしいことだ。次第に進歩するアジア太平洋経済貿易体制において、中国の役割を世界はどんどん評価するようになり、中国社会も一層開放的になり、富強実現という中国の夢もアジア太平洋民衆の繁栄実現というアジア太平洋の夢と非常に緊密に連結することになると展望できる。

　中国はすでに新シルクロードの雄大な計画を立てるとともに、「1ベルト、1ロード」構想の積極的な実行に向けて金融・技術面の支援を提供した。中国の提唱したアジアインフラ投資銀行（AIIB）はすでに始動し、創設メンバー国以外にも、一部の国々が近いうちの参加を積極的に検討している。中国は比較的短期間で巨大な近代化インフラシステムを立ち上げ、開放的姿勢で資本と技術を輸出し、他の途上国に融資を行い、技術を提供し、中国の急速な発展に相乗りさせるとともに、自らの一層の発展のためにもかつてない協力のチャンスを見いだした。これは互恵・ウィンウィンと言える。近い将来、中国が周辺の多くの国々の急速な発展を先導することも同様に展望できる。

　新世紀において繁栄を輸出した中国の重要な貢献をアジア太平洋は銘記し、日増しに開放を進める中国の世界に対するリーダーシップを世界は尊敬するようになる。（編集NA）

　「人民網日本語版」2014年11月20日