「(史実は)そうだったのか」と感嘆する子供たち
村田氏は、「長崎や広島の記念館は、日本が被害者であるという歴史を反映しているが、このミュージアムでは、日本が加害者であったという歴史も紹介しており、比較的全面的な歴史解説がなされている」と語る。また、同校は歴史学者が多く、館内の展示物は学者らの研究の成果に基づいているという。
記者が館内で取材をしていると、見学に来ていた数十名人の小学生を偶然見かけた。村田氏によると、見学に来る半数以上が中学生だという。
54人の修学旅行生を引率して三重県鈴鹿市から来たという小学校教員の神田氏は、「小中学校の教科書に掲載された日本の侵略の歴史に関する記述は詳細さに欠ける。ここで豊富な戦争資料を目にすることで、子供たちは戦争に対して感覚的認識を得ることができる」と語る。多くの子供たちがこれらの真実、客観的歴史展示物を見るなり、「(史実は)そうだったのか」と感嘆する。
歴史を反省し、過去と真摯に向き合うことは容易でない
日本の中国に対する侵略戦争の紹介について、この博物館では老兵の日記や当時の新聞、軍用地図、戦場写真といった資料で解説している。
立命館国際平和ミュージアムの名誉館長である安斎育郎氏は、かつて南京を訪れたこともあり、博物館が如実に展示するのは「過去と真摯に向き合うため」と語る。
日本の侵略戦争を理性的に回顧し、大学の博物館で過去を直視する。こうした態度は尊重に値する。しかし、日本では「過去に目を向けたくない」という政治家や国民は多い。記者は同類の博物館や記念館を多く取材しているが、立命館国際平和ミュージアムの来場者数は昨年の4万3千人が最多で、その数は長崎の原爆資料館の10分の1に過ぎない。東京の靖国神社の毎年数百万という参拝者とも比べものにならない。(編集IM)
「人民網日本語版」2014年11月25日