国外メディアによると、ロシアのラブロフ外相は20日、朝鮮の金正恩第一書記の特使としてモスクワを訪れている崔竜海・朝鮮労働党書記と会談後、プーチン大統領と金正恩第一書記が今後、首脳会談を行うことを示唆した。新京報が伝えた。
ロシア・朝鮮首脳会談がもし実現すれば、朝鮮の最高指導者である金正恩氏にとって就任後初めての外国訪問となる。金正恩氏の父・金正日氏の3回忌まで約1カ月。朝鮮の風習によれば、これで「3年喪があける」ことになり、金正恩氏は外国訪問のピークを迎える可能性がある。どの国を初めに訪問するかで、朝鮮の外交戦略の優先順位を知ることができると見られている。
外交の慣例では、首脳が外国を訪問する数カ月前に、まず政府高官が訪問先の国に派遣され、下準備をする。このことから見ても、「ロシア・朝鮮首脳会談」が行われることが予想できる。今年10月初めに朝鮮の李洙ヨン外相がロシアを訪問したのに続き、11月初めには玄永哲・人民武力部長(国防相に相当)がロシアを訪れ、プーチン氏にも会見している。そしてこのほど、朝鮮のナンバー2である崔竜海氏がロシアを訪問した。崔竜海氏のロシア訪問ルートは、そのまま金正恩氏のロシア訪問ルートになると見られている。現在、朝鮮とロシアの外交交流の頻度は、朝鮮とその他の国交締結国を大きく上回っている。もちろん、意外な国への突然訪問という可能性もあるが、一般的にはまず上級外交官が先に相手国を訪問してから、首脳会談が行われることが多い。ロシアの関係者と金正恩氏の訪問についてのスケジュールを決める場合は、崔竜海氏はまさに適任者だ。
一方、ロシア側も両国首脳会談の実現に向け、良好な雰囲気を整えている。ロシアは、無条件で6カ国協議を再開することで朝鮮の合意を取り付け、国際的な政治への協力精神を見せようとしている。関連各国はこれまで、朝鮮に6カ国協議のテーブルに戻るよう何度も説得してきたが、成果を上げられていない。
朝鮮はまた、人権問題を非難する国連総会委員会の決議を巡り、新たな核実験も辞さない構えを示している。この状況の中、ロシアは「核政治」と「半島での大規模な軍事演習の抑制」という2つの話題を切り口とし、朝鮮半島における影響力の拡大を模索している。これで、「ロシアと朝鮮の首脳会談は、半島の安定を守るため」という大義ができた。