中国では一体いくらあれば中産階級の仲間入りができるのだろうか。月収が税引前所得で1万元(約19万6千円)というラインは、ネットユーザーの間ではすでに「中産階級の足を引っ張るもの」とされている。北アジア地域(大陸部、香港地区、台湾地区、韓国)の中産階級に関する最新の調査結果によると、大陸部では月収4万5202元(約88万8千円)が中産階級のラインとみなされ、4地域の中では台湾と韓国を上回る2位だ。また大陸部では収入が多い人ほど自分が中産階級に属しているという意識が高まる。だが調査からは、この水準の人々の暮らしぶりは、金銭面では安定していて余裕があるが、保障という面では軒並み不十分だという一面もみえてくる。金羊網が伝えた。
▽流動資産が150万元なければ成功とはいえない
この調査は調査会社・益普索(Ipsos)の金融サービスチームが行ったもの。4地域の自分は中産階級に属すると考える2500世帯を調査対象とし、大陸部は1千世帯だった。大陸部で中産階級のラインとみなされるのは月収4万5202元で、香港の5万1465元(約101万2千円)に次ぎ、韓国の3万9204元(約77万円)、台湾の2万7956元(約55万円)を上回った。
それでは月収4万5千元の家庭の暮らしぶりはどんなものだろうか。データによると、こうした家庭の人は自信に満ち、85%が現在の生活に満足している。また大陸部の中産階級が今後の生活に対して最も楽観的な見方を示し、これから先1年間の暮らしは今よりもよくなると回答した人がほとんどだった。
改善が期待される項目について訪ねると、大陸部の中産階級は「資産価値」、「可処分資産」、「家庭生活」が上位3位に並び、「健康」、「利用可能な余暇時間」、「居住周辺の環境」への改善の期待度は低かった。また大陸部中産階級は人生の第一目標に「健康」を挙げる人が69%で7割に迫り、「楽しい婚姻生活・人間関係」は47%、「キャリアライフの成功」は40%だった。