習近平国家主席は8日から10日にかけて2カ月ぶりにロシアを訪問し、ウファで第7回BRICS首脳会議と第15回上海協力機構首脳会議に出席する。(文:王義桅 ・中国人民大学国際問題研究所所長、重陽金融研究院シニア・フェロー。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
グローバル・ガバナンスを1本の傘にたとえるなら、両首脳会議はBRICSと上海協力機構がグローバル・ガバナンスの新たな傘立てになれるかどうかに関わる。両首脳会議の最大の特徴は、今後10年間に影響を与えることだ。上海協力機構首脳会議は「上海協力機構の2025年までの発展戦略」を採択し、今後10年間の全体的計画をまとめる。BRICS首脳会議は「BRICS経済パートナー戦略」を採択し、今後数年間の経済・貿易協力に着眼してビジョンを描き、BRICS利益共同体を築く。両首脳会議は戦略の「結合」と「共通認識」にも注目する。開催地のウファは「1ベルト、1ロード」の重要な都市であり、「1ベルト、1ロード」のいくつかのプロジェクトがここで締結される見通しだ。BRICS首脳会議は国際通貨基金(IMF)改革などの重大な議題についても合意にいたる。
BRICSはすでに首脳会議が先導し、安全事務ハイレベル代表会議、外相会議等閣僚級会議を支えとし、広範な分野で実務協力を展開する重層的なメカニズムを形成している。
BRICSは共通利益が増加し続け、協力基盤が拡大し続け、協力の勢いが高まり続け、重大な国際問題で意思疎通と調整を強化し続け、すでに世界経済の成長を先導し、世界経済ガバナンスを完全なものにし、国際関係の民主化を推進する重要なパワーとなっている。
今回のBRICS首脳会議は「BRICSパートナーシップ――世界発展の力強い要素」をテーマとしており、BRICSは金融、サイバー分野で具体的協力を行う。その目玉の1つがBRICS銀行の設立であり、アジアインフラ投資銀行と共に国際金融ガバナンスの新たな力となり、国際金融秩序のより均衡ある、あまねく恩恵の及ぶ方向への発展を後押しする。BRICS銀行の設立は、大国間の調整によるより包容的な国際秩序の構築推進の最新の例証にもなる。