日本の空調メーカー・ダイキン工業株式会社は8日、中国の家庭用エアコンの生産能力の一部を日本に移転することを明らかにした。この発表を受けて、ダイキンが中国から撤退するのではないかとの憶測が改めて広がっている。ダイキン関連部門の責任者は取材に答える中でこうした憶測を否定したが、外資系の空調ブランドが中国市場から相次いで撤退していることから、コンピューター産業と同じように、エアコン産業も徐々に中国ブランドの「内戦状態」に突入し、外資系は隅に追いやられるようになることが予想される。「北京商報」が伝えた。
▽円安が企業のコスト上昇招いた
早くも2014年の初頭より、ダイキンは中国の珠海格力電器株式有限公司に委託していた日本市場向け家庭用エアコンの生産能力の一部を、日本の滋賀県にある工場に移転させ始めており、移転量は当時25万台と言われた。このたびは格力の相手先ブランド名製造(OEM)の生産能力を削減するだけでなく、中国で自ら運営するエアコン工場の日本市場向け生産能力も削減するという。
ダイキン中国法人の関連部門責任者の薛暁斌さんはこうした情報を確認した上で、「(このような事態を招いた)主な原因は円安であり、さらに人件費や物流コストなどの持続的な上昇、輸送周期といった要因の影響もあり、日本で販売するエアコンは日本で生産した方が有利になったためだ。特にこうした理由で、これまで中国で委託生産し、日本に輸出していたローエンド家庭用製品の一部を、日本・滋賀の工場で生産することにした」と述べた。
▽ダイキンは中国市場撤退を否定
ダイキンの生産能力の日本移転を受けて、業界にはダイキンの中国市場撤退のうわさが広がる。薛さんはこのうわさを否定し、「ダイキングループは中国市場を常に重視してきたし、中国市場での長期的で持続的な発展をグループ発展の重要な戦略的要素ととらえ、中国市場にニーズに応えた各タイプの商品を次々にうち出し、中国の生産基地の生産能力を拡大しており、業績も年々伸びている」と述べた。