認知症の主な病理学的な特徴は、脳細胞の損傷、アミロイドβタンパク質の脳における過度の凝縮だ。米国の研究者によると、睡眠の質低下はこのタンパク質の凝縮を促し、大脳の損傷を深刻化させる。この発見により、睡眠の質の改善によって認知症の症状を和らげられる可能性が出てきた。北京日報が伝えた。
カリフォルニア大学バークレー校の研究者は脳機能イメージング技術とその他の診断ツールを使い、26人の高齢者を被験者とし睡眠時の脳波、アミロイドβタンパク質の脳における含有量、記憶中の脳活動を測定した。
研究者が分析によって集めたデータによると、睡眠の質低下、記憶力の低下は、アミロイドβタンパク質の凝縮と関連している。前頭前皮質のアミロイドβタンパク質の凝縮量が最も多い被験者は、睡眠の質が最も低く、記憶テストの成績も最悪だった。報告書の筆頭著者、バークレー校神経学教授のマシュー・ウォーカー氏によると、睡眠は夜間のアミロイドβタンパク質の除去を促し、この有害なタンパク質の凝縮と脳細胞の損傷を阻止する。大脳の一部にアミロイドβタンパク質が集まるほど、ノンレム睡眠の時間が短くなり、記憶力が悪くなる。またノンレム睡眠の時間が短いほど、人体がアミロイドβタンパク質を除去する効果が低くなる。これは悪循環を形成する。しかしこの悪循環を及ぼす最初の原因が、睡眠の質の低下であるか、アミロイドβタンパク質の凝縮であるかについては、まだ明らかになっていない。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年7月14日