15日、SARS(重症急性呼吸器症候群)口述記録データバンクの展示イベントが、香港医学博物館で開幕した。同イベントの開催趣旨は、研究者と社会各界の人々に対して貴重な研究資料を提供し、今後の感染勃発に十分に備えることにある。新華社が伝えた。
香港医学博物館学会の余毓霊会長は、「学会は、SARS勃発から10年が経過した2013年から2年の歳月を費やし、医師・看護師・患者・教員・メディア記者など、SARSに深くかかわった社会各界の50人に対する取材を実施。これらを口述記録として取りまとめた。この貴重な資料が、今後役に立つことを願っている」とコメントした。
また、余会長は、「展示の主な目的は、市民に『温故知新(昔のことをもう一度調べて研究し、そこから新たな知識や見解を得ること)』を促し、感染勃発が再び起こらないよう予防を訴えること。同時に、香港に重要な歴史資料を残すという意義も備えている。市民が、この展示を観たあと、SARSと戦った無名の英雄たちに対して、より深い認識を得ることを期待している」と続けた。
香港特別行政区政府(特区政府)食物衛生局の高永文局長は、「SARS流行時、香港では、医療関係者8人を含む約300人が死亡した」と話した。
高局長によると、SARSをめぐる経験から、特区政府は、市民の不安やパニックを最小限に抑えるため、伝染病の感染拡大対策を含む大規模な危機管理には、十分な透明性が不可欠であることを改めて認識したという。(編集KM)。
「人民網日本語版」2015年7月16日