中国人民銀行(中央銀行)の報道官は14日、今後は外国中央銀行等(外国の中央銀行と中央銀行に準ずる機関)が中国の銀行間外国為替市場に直接参入することを認め、スポット取引、フォワード取引、スワップ取引、オプション取引などを行えるようにすることを明らかにした。新華網が伝えた。
同報道官によると、人民銀と国家外匯管理局はこれまで一貫して中国外為市場の対外開放を積極的に推進し、適切に秩序をもって海外の取引主体を受け入れてきた。現在は外国の中央銀行、政府系ファンド、国際金融機関などの外国の中央銀行と中央銀行に準ずる機関が人民銀の代理業務を通じて、中国銀行間外為市場でスポット取引、フォワード取引、スワップ取引、オプション取引などの金融派生商品(デリバティブ)を間接的に取引することが可能だ。
同報道官は、「人民銀が先にうち出した『外貨予約マクロプルーデンス管理の強化に関する通達』は銀行のカウンター業務に対するものであり、銀行間市場での取引に対するものではない。外国中央銀行等が行うフォワード取引、スワップ取引、オプション取引などのデリバティブ取引は銀行間市場での取引に属するもので、カウンター業務に属するものではなく、外国中央銀行等とその取引相手はこうした取引のために外貨リスク準備金を積み立てる必要はない」と述べた。
8月の人民銀の外国為替資金残高と外貨準備の残高が一致しなかった問題について、同報道官は、「8月には人民銀が外国為替市場の操作で外貨の流動性を提供して外貨準備が減少したことのほか、この月には外貨準備が貸出プロジェクトに依託して一部引き出されたこと、国際市場の一連の主要金融資産の価値が回復したことも外貨準備の低下幅を増大させ、人民元の外為資金残高と外貨準備との低下幅の不一致につながった」と説明した。
8月の金融機関の外国為替取引残高の低下幅と同月の人民銀の外国為替資金残高の低下幅との差が広がった問題について、同報道官は、「金融機関の人民元建て貸出収支表の統計基準を踏まえると、金融機関の外為取引には人民銀、銀行業の預金業務を取り扱う金融機関、銀行業の非預金業務を取り扱う金融機関という3つの主体の外為取引が含まれる。8月の金融機関の外為取引残高の低下幅は人民銀の外為資産残高の低下幅を上回り、その主な原因として銀行システムの外貨流動性が十分だったこと、外貨資金の運用収益が低く、一部金融機関が外貨流動性を企業や個人に提供して、企業や個人の資産配置の多様化ニーズに対応したことが挙げられる」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年9月15日