包丁を筆代わりにした書道作品を見たことがあるだろうか?重慶出身の「90後(1990年代生まれ)」の若者、塗建川さんが22日、包丁やネギなどを使って書道をするという得技を披露した。
塗さんは字を書く前に、墨を包丁の三分の一の部分まで付着させ、余分な墨をきれいに拭いた。塗さんは包丁を右手に握って、紙の上で「竹」という漢字を書いた。独特な字体に、惜しみない賞賛の声が寄せられた。
塗さんの本業はシェフで、同時に食品彫刻の教師も担当しているという。「子供の頃から書道が好きで、書道の基礎はある程度身につけている。自分の仕事と書道を結びつけようと思って、包丁で字を書くことを思いついた」と塗さん。
参考にできる前例もなく、包丁で字を書くことの難しさは塗さんの想像を遥かに超えていたという。毛筆に比べれば、包丁は厚くて硬く、墨が付着しにくい。練習を始めた当初は、字を書けるだけのサイズの机が家になかったため、地面に伏せて練習していた。しかし、包丁で紙が破けてしまったり、墨で紙が汚れてしまったりと、そううまくはいかなかった。2年間近くの練習を重ねて、塗さんはついに包丁を使う時の力加減を自由に制御できるようになり、紙が墨で汚れないように包丁をすばやく移動する方法も身につけた。
塗さんは今、包丁だけでなく、ネギやスプーンなど日常的な道具やモノを使って字を書けるようになった。
このほか、包丁を使用する時の力加減をつかむため、塗さんはよく豆腐を使って牡丹の花の彫刻を練習している。水に浸かった正方形の豆腐に塗さんが手を加えると、十分足らずの間に、生き生きとした一輪の牡丹の花に変身した。(編集Yiqi)
「人民網日本語版」2015年9月28日