米国を公式訪問した習近平国家主席は26日、国際連合の発展サミットで、「中国は最も発展の遅れた国、内陸の発展途上国、小島嶼発展途上国に対し、2015年末に返済期限を迎える未償還の政府間無利子融資の債務を免除する」ことを明らかにするとともに、「『南南協力援助基金』を設立し、第1期資金として20億ドル(1ドルは約120.3円)を提供する」と発表した。人民日報のモバイルチャンネルが伝えた。
中国のこの決定を、国際社会の各界は高く評価した。
だが同時に、インターネット上では中国の債務免除の決定について異なる意見もみられた。「債務を免除し、また資金を出す。中国自身がまだ多くの貧困人口を抱えているのだから、まずは資金を自国の貧困人口に投入するべきだ。債務免除をしたり対外支援をしたりしている場合ではない」というのだ。
こうした意見は偏ったものだが、一定の支持がある。そこでわれわれははっきりと明確に答を出さなければならない。対外債務免除は果たして中国の「貧者の大盤振る舞い」なのだろうかという問いへの答だ。そのためには次の5つの事実を踏まえる必要がある。
▽事実1:債務免除は大国がいつも行っていること。中国は責任ある国として、国連安全保障理事会の常任国として、仲間入りしないわけにはいかない。
一連の国の債務を免除したり、対外支援をしたりすることは、何も目新しいことではない。昨年12月にロシアはウズベキスタンの債務8億6500万ドルを免除したし、米国もこのほどエジプトの債務10億ドルを免除すると発表し、日本はミャンマーの債務37億2千万ドルを免除した。どのような目的であるにせよ、中国が行ったのと同じような対外支援は国際関係の中でしばしば見られる現象だ。
実際、中国自身も対外支援によるメリットを享受してきた。たとえば、抗日戦争の時期にはソビエト連邦と米国から多くの支援を受けた。改革開放後には、日本や欧米だけでなく、サウジアラビアの支援も受けた。これらの支援は中国が難関を越えるのをサポートし、中国の工業化を促進した。