財政難は、改革の足かせとなる原因のひとつとなっている。2015年年初時点の国債残高は、GDP総額の約2.5倍に相当する1053兆円に達し、「借金して食いつなぐ」ことが、日本の財政のニューノーマルとなった。国際的な信用を維持するため、日本は予算規模の制御に務める一方、ひっそりと予算を補充した。ムーディーズなど世界三大格付け機関はこのほど、申し合わせたかのように、日本国債の格付けを引き下げた。
安倍内閣は現在、企業に期待を抱いている。引き続き賃金の上昇を企業に求めたことに続き、毎月1回「官民対話」会議を開くと発表、国内投資を増やすよう企業に圧力をかけた。だが、日本企業は、国内の投資環境を有望視しておらず、相変わらず海外に目を向け続けている。統計データによると、2014年の日本企業による海外M&A総額は14兆円という過去最高を記録した。これは、国内設備投資総額の3倍に相当する。
改革に対して猜疑の眼を向けているのは、日本企業だけではない。国民の信頼感も次第に失われつつある。調査によると、「改革について信頼している」人は5分の1にも満たず、約6割の人は、改革に対して期待を抱いていない。これまでの慣例により、毎年10月から11月には臨時国会が開催される。この臨時国会は、本来は、法案を審議するための絶好の機会であるはずだが、安倍首相は今年、外遊が続くという理由で、珍しく開催を見送った。「新三本の矢」がどこまで飛ぶのか?-多くの人は、「楽観できない」と考えている。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年11月16日