最近、南沙(英語名スプラトリー)諸島の永暑(英語名ファイアリー・クロス)礁に中国が新たに建設した飛行場での試験飛行にベトナム側は強硬な反応を示した。ベトナム側はまず外務省報道官が試験飛行に反対を表明。続いて同国の民間航空局の責任者が、中国と国際民間航空機関に抗議文書を提出したことを明らかにした。(文:蘇暁暉・中国国際問題研究院国際戦略研究所副所長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
ベトナムは中国に対して主に3つの不満を表明した。
第1に、中国が飛行計画を提出せず、またはベトナムの航空管制センターに無線連絡を行わずに南中国海のベトナム領空を飛行したこと。
第2に、中国機が国際民間航空機関の規則を無視したこと。
第3に、中国側が地域の飛行の安全を脅かしたこと。
ベトナム民間航空局は1月2日から8日までの7日間に、同国南部のホーチミン市航空管制当局が、警告なしに中国機が飛行する事件を46回確認したと指摘した。
米日などのメディアは直ちにベトナム側の立場を報道し、南中国海情勢に「タイムリーに」懸念を表明した。中国は再びメディアの矢面に立たされた。だが少しでも冷静に観察すれば、ベトナムの非難が一見確かだが、実は成り立たないことに気づく。
第1に、いわゆる中国側から通告を受けなかったというのは、実はベトナムが故意に放置して取り合わなかったのだ。中国側は2015年12月18日に中国民用航空飛行校検センターが規定と国際的慣例に基づき、ホーチミン飛行情報区管理当局に中国側の試験飛行計画と航路など具体的技術情報を通告したことを明確に指摘した。だがベトナム側からの反応はなかった。12月30日、中国側はベトナム外交当局に技術的通告を行い、説明を行った。中国は精確な時間と具体的内容の証拠を提出した。これは確認可能だ。さらに重要なことに、中国は南沙(英語名スプラトリー)諸島およびその周辺海域に対して争う余地のない主権を有しており、永暑礁に新たに建設した飛行場での試験飛行は完全に主権の範囲内の事だ。中国は試験飛行について公明正大にベトナムに通告し、完全に正々堂々としている。