最近日英両政府は第2回外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を開き、共同声明を発表した。声明で双方は防衛協力強化の意向を明確にした。英国は日本を「アジアで最も緊密な安全保障パートナー」と位置づけ、日本はアジア太平洋における英国の軍事的プレゼンスの強化を歓迎した。(文:華益声・国際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
南中国海問題が共同声明で大きな位置を占めたことは考えさせられる。声明は全23節で、冒頭の3節は2プラス2に出席した高官による原則的合意を紹介し、第4節から若干の問題における両国の具体的立場を説明している。南中国海問題は第4節の冒頭で提起されている。一方、日本の安倍晋三首相が「日本の安全保障に対する重大な脅威」とする朝鮮の核実験は第6段だ。声明の順序が恣意的なものでないことは明らかであり、南中国海問題は両国の「主要な懸念」となったようだ。また、南中国海問題に関する記述は長く、両国が強く重視していることが示された。
南中国海問題について日英は3つの主張を打ち出した。
第1に、大規模な埋め立て・島造成を含む一方的行動に反対する。
第2に、国際法による争いの解決を強調。特にフィリピンの提起した仲裁への支持を表明し、「仲裁には法的拘束力がある」と考える。
第3に、「南中国海における行動規範」の早期制定を求める。
英国と日本は共に南中国海をめぐる争いの当事国ではないのに、なぜ南中国海問題にこだわるのか理解しがたい。また、なぜフィリピンの仲裁の肩を持つのか。