「脱家電」を経た日系消費電子メーカーが再び、PC事業の分社化という集団的な改革の波を迎えている。28日に北京商報の記者が手に入れた情報によると、日本の富士通は、PC事業と携帯事業を切り離し、それぞれ独立した子会社を設立する。日本企業がPC事業を分離するのは、ソニーと東芝に続いて3社目。業界関係者は、PC業界はすでに飽和状態で、企業がPC事業の分割や分離を進めるのは、後日の売却かほかの企業との統合を準備しているためとの見方を示している。上記3社がPC事業を合併し、新会社を共同で設立するとの情報もある。北京商報が伝えた。
▽PC事業を分離して子会社設立
富士通は、完全子会社の「富士通クライアントコンピューティング」を設立し、ノートPC事業とデスクトップPC事業を分離して新会社に継承する。携帯事業部門は、「富士通コネクテッドテクノロジーズ」に継承される。資本金はいずれも4億円。会社分割は来年2月1日に完了し、富士通は引き続き両社を保有することとなる。
富士通にとってこの決定は、やむを得ない措置となった。同社によると、パソコンやスマートフォンなどの普及で、商品の差別化が困難となっており、市場での競争も激化している。PC業界は衰退に向かっており、スマートフォンも50ドル程度で良品が手に入る状態にある。これらの事業で収益を上げるのは難しくなっている上、サムスンのような大手が力を入れている分野であることから、富士通は、この分野でのチャンスは小さいと判断した。
富士通は、ソニーと東芝に続き、PC事業の分割を準備する3社目の日本企業となった。ソニーの平井一夫CEOは昨年2月、同社が「日本産業パートナーズ」(JIP)と了解覚書を締結し、参加のPC事業とVAIOブランドの売却を協議していることを明らかにした。平井CEOは当時、経営資源をゲームとスマートフォンに集中させる方針を示していた。ソニーのVAIOパソコンは、PC設計の最高水準を代表するだけでなく、ソニーに豊かな利潤をもたらした部門でもあった。東芝も、このほど示した「アクションプラン」で、PC事業を分離して新会社を設立する方針を示し、他社との業務再編も検討していることを明らかにしている。