さらに、アップルは今後、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイを採用する計画で、現時点ではサムスンがOLEDディスプレイの主要サプライヤとなっている。フォックスコンは、シャープ買収後、次世代ディスプレイ技術に投資し、市場シェア拡大を狙っている。
シャープがフォックスコンを選ぶという結論に至るまでには、かなりの紆余曲折があった。日本の政府系ファンド・産業革新機構に依託して再編について話を進めてきたシャープだったが、ホンハイの強大な資金力とホンハイからの「3年間で黒字化を約束する」という申し出のもと、シャープはホンハイを選んだ。
劉雲・アシスタント研究員は、「日本の産業革新機構は、シャープと再編案を推し進めており、大きな優位性を持っていた。だが、彼らが提供する資金額は、ホンハイに比べてかなり少なかった」と指摘した。
〇日本企業のモデルチェンジ
優秀な技術は持っているものの、深刻な財政問題を抱えている―「シャープの困難」は、まるで日本家電メーカー業の縮図のようだ。
南開大学日本研究院の張玉来・副院長は、これについて、次の通りコメントした。
技術の進歩とモジュール化革命がもたらす「グローバル産業分業化」は、日本の家電メーカーが苦境に陥る主な原因となった。シャープのような企業は、戦略のモデルチェンジと経営パターンの変革に真っ先に取り組まなければならない。