米西部時間16日、初めて米本土で行われた米ASEAN非公式首脳会議が閉幕した。今回の会議を中国に対してもめ事を引き起こす「理想的な場」と見なして騒ぎ立てる声があったが、最終的に発表された声明は期待したように「中国を名指し」することも、南中国海に明確に言及することもなかった。こうした結果は中国ASEAN関係の大きな背景の下では意外なことではないが、中国ASEAN関係を妨害する不健全な心構えはやはり十分に警戒すべきだ。(人民日報「鐘声」国際論評)
現在の世界において、ASEAN地域の発展の活力と戦略的重要性は高まり続けている。特に共同体構築を発表した後、国際・地域問題における役割は一層高まる。ASEANが米国を含む各対話パートナーと平等、友好、第三国を標的にしない協力パートナーを発展させることは、地域協力の深化、東アジアの繁栄・安定促進にとって積極的意義を持つ。だが、しばらくの間というもの、米ASEAN関係について一部の者が描き出した発展の道は建設的方向とは甚だしく異なる。今回の会議の開幕前後、フィリピンが南中国海仲裁を会議の議題とし、「仲裁」を成果文書に盛り込むよう執拗に望んだことに人々は留意している。フィリピンが一方的に申し立てた仲裁にASEANの「裏書き」を得る意図だ。同時に、ワシントンもASEAN各国がこれについて共通認識を形成することを推し進めたい考えだ。
南中国海問題をめぐり、同様の外交的駆引きはすでに過去数年間繰り返し出現してきた。だが最終的結果が再三示しているように、ASEANは各国の利益上の関心のバランスを比較的うまく取ることができ、特定の加盟国の一方的な主張に「操られる」ことはなく、大多数のASEAN諸国はASEANの信頼性と評判を損ない、東アジア協力におけるASEANの主導的地位を弱める行為に対して十分に警戒しており、ASEANが特定の一国の「指揮棒」に従って行動することを望んでいない。特定の域外国が南中国海問題に熱心に介入するのは、南中国海の安定を真に気にかけているからではなく、別の考えがあるからだ。今回の会議で最終的に発表された声明では、いわゆる「非軍事化」が再び騒ぎ立てられた。だが周知のように、域外国である米国が南中国海に頻繁に軍用機・艦艇を派遣して武力を誇示し、さらに一部の国を仲間に引き入れていわゆる合同巡航を行おうと企て、沿岸国の主権と安全を深刻に脅かしていることこそが、南中国海の軍事化を推し進めている最大要因だ。