●緊急時の救援体制が向上
中国は今後、災害救援や医療救護などの分野におけるゼネラル・アビエーションの活用を奨励・強化し、緊急時の救援体制を整え、素早い対応を可能にする。朱克勤教授は「低空域の開放拡大により、ゼネラル・アビエーションの公益サービスの範囲が広がる。災害救援や医療救護用のヘリの数が増え、より便利な活用ができるようになる。関連サービスが整うため、費用も徐々に下がるだろう」と指摘する。
● 関連産業をけん引
中航通用飛機公司(中航通飛)分党組書記の宋慶国氏は「中国はすでにゼネラル・アビエーションを戦略的新興産業に組み込み、重点的に取り組みを進めている。近年、関連産業は急速な発展を遂げている。しかし需要が抑圧されているため、中国のゼネラル・アビエーション収入は民間航空全体の1%を占めるに過ぎない」と指摘する。こうした問題に対し、意見では、航空消費を奨励することが提起された。これはゼネラル・アビエーションとインターネット、クリエイティブエコノミーを融合させ、ゼネラル・アビエーションの新たな業態を開拓していくというものだ。
中航工業の副チーフエンジニアで、中国工程院院士の樊会涛氏は「低空域の開放により、全国約2800県のゼネラル ・アビエーション空港の『相互連結』が実現する可能性がある」と語る。
低空域の開放とゼネラル・アビエーション空港の建設は、短期的だけでなく長期的に見ても利益がある。ゼネラル・アビエーション空港1カ所あたりの投資額を1億5千万元(1元は約16.8円)として計算すると、全国2800県の建設投資は4200億元に達する。経済波及効果を10倍として計算すると、ゼネラル・アビエーション空港の建設は数兆元規模の経済成長と大量の雇用創出をもたらすことになる。(編集SN)
「人民網日本語版」2016年5月20日