第7回中国衛星航法技術・応用成果展が15~18日にかけて開催された。中国兵器工業集団公司とアリババ・グループの共同出資会社である千尋位置ネットワーク有限公司の陳金培CEOは、インターネットを使った配車サービスの問題について、「地図上では簡単に見つけることができるが、実際は車の位置をなかなか特定できないことが悩み」と述べた。新華社が伝えた。
この問題を解消するため、同社はこのほどサブメートル級の高精度測位サービス商品「千尋跬歩」を発表した。
サブメートル級とは通常、1メートル以下の分解能を意味する。同製品が使用するコア技術は、北斗衛星航法システムに基づくものだ。
陳CEOによると、同社は「千尋跬歩」の他にも、センチメートル級の測位サービスを提供する「千尋知寸」、サービスの精度がミリメートル級に達する「千尋見微」を発表した。
陳CEOは、「センチメートル級の精度は、自動運転、精密農業、ドローン、自動車教習所などで応用できる。北斗地上強化ネットワークの建設に伴い、サービス範囲は現在の南東の沿岸部から大半の経済発展地域に拡大される」と話した。
ミリメートル級の精度は、危険家屋の監視、土砂崩れのモニタリング、鉄塔の管理、橋の管理、防災・減災などに応用できる。西安鉄路局安康区間で勤務する呉磊氏は、このミリメートル級製品に期待を寄せている。
鉄道の点検作業員だった呉氏は、「洪水の季節には、鉄道沿線の山の変化を目視し、岩が転がっていないかに注意しなければならない。特に雨量が多い時は、人の視界に影響が生じ、約100メートルおきに作業員を配備する必要がある」と話した。
呉氏は当時、科学技術による洪水対策が実現できないかと考えたことがある。呉氏のアイデアは、今年1月に実験にかけられた。「地表にセンサーを設置し、北斗の基地局を設置する。それから3つのレシーバーを山の断面に向けることで、土壌の変化と山の斜面の移動を測定する。北斗の精密な測位により、人的資源を節約し、測量をより正確にすることができる」。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年5月20日