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煙霧質、クリーンな大気中でも形成

人民網日本語版 2016年05月26日15:21

別々に行われた2種類の研究によると、硫酸によって汚染されていないクリーンな大気中でも、煙霧質(エアロゾル)が形成されるという。この発見は煙霧質の形成に関する新たなメカニズムを提起し、「化石燃料の排出は、大気中の煙霧質形成の必要条件」という伝統的な理論を覆した。人類活動の気候変動に対する影響は、これによって見直されるかもしれない。科技日報が伝えた。

大気中の煙霧質とは、大気中にある固体・液体の浮遊粒子状物質の総称で、成分によって砂塵煙霧質、炭素煙霧質、硫酸塩煙霧質などに分けられる。大気科学研究の世界では、大気中の粒子状物質の代わりに煙霧質という言葉を使用する。煙霧質は人の健康を損ねるほか、視界、降水、放射、および雲・霧・煙霧の形成と直接関連している。

大気中の硫酸の大半は化石燃料の排出分で、これまでは煙霧質を形成する必要条件とされていた。しかし日中はその濃度がとても低く、観測された煙霧質の生成速度を説明できない。そのため多くの人は、高度に酸化されたバイオマスなどが、新たに形成された硫酸塩粒子状物質の安定を促すと考えていた。科学者らは、煙霧質がいかなる硫酸の力も借りなくても形成されうるかを調べようとしていたが、これまでの研究ではこの汚染物を排除することができなかった。

欧州原子核研究機構(CERN)のジャスパー・カークビー氏が率いるチームは、同機構の中心汚染密度が極端に低い部屋(CLOUD)で、この実験を試みた。その結果、硫酸汚染がなくても、高度に酸化されたバイオマスがあれば、煙霧質が形成されることが分かった。ネイチャー誌に掲載された論文によると、この過程は宇宙線粒子がこの部屋に入ったことで生じた。これらの結果は、低汚染環境における、煙霧質の潜在的な多くの出処を明らかにした。

同誌の別の論文も、この部屋で行われた実験について報告した。スイスのポール・シェラー研究所の研究チームは、揮発性が極端に低い有機系バイオマスが、硫酸がない状態でも粒子状物質を増やし、さらに高揮発性の有機系バイオマスがこれに介入し強化することを発見した。この発見を世界の煙霧質模型に使用すると、大気全体の雲凝結核濃度の大幅な変化が生じる。(編集YF)

「人民網日本語版」2016年5月26日

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