円高と税関制度の厳格化により、訪日中国人客は高級腕時計やバッグなどの高級品から、おむつやスキンケア商品に視線を転じている。アベノミクスが始まってから、中国人客の百貨店における爆買いに初めて陰りが生じた。参考消息網が、英フィナンシャル・タイムズ(電子版)の22日の記事を引用し、伝えた。
訪日客数は記録更新を続けているが、昨年夏より12%の円高が生じており、観光業の発展を脅かすことが懸念されている。
日本政府は2020年までに、訪日客数を延べ4000万人、消費額を730億ドルに倍増させる計画を立てているが、実現が危ぶまれている。また円高進行は、アベノミクスにとって最も重要な訪日客に、悪影響を及ぼす恐れがある。
訪日客数が記録を更新し、百貨店に来店した観光客数は前年同期比7.8%増となっているが、4月の売上は激減した。そのうち、外国人客の高級ブランド店での消費額は9.3%減となった。
一部の小売店はこの逆説的な結果を受け、「Xデー」の到来を恐れている。訪日客のうち4分の1を占める中国人客の購買行為は2016年より、当初の爆買いから慎重な選択に変わりつつある。
これは中国人客に占めるリピーター率の上昇が、重要な原因と分析されている。中国は今年4月上旬、高級品の代理購入行為の撲滅を目的とする税関制度を発表し、日本の百貨店にとって痛手となった。
高級品の販売に影響が生じているが、中国人客は依然として日本製化粧品の購入に意欲的だ。リヨン証券会社東京支店の小売業界アナリストは、「購入方法に密かに変化が生じている。観光業の発展によって大きな利益を手にした資生堂は、外国人客向けの年間売上目標を3割引き上げた」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年5月26日