あなたが環境保護主義者ならば、菜食主義者になる十分な理由が増えたと言える。19日にネイチャー・コミュニケーションズに掲載された研究結果によると、現在あるすべての森林を留め、畑にしなかった場合も、全人類の食料を確保できる可能性がある。しかも菜食者が多いほど、この目標実現は容易になるというのだ。同研究は、食糧供給の保証と森林資源の保護の間には根本的な矛盾が存在しないことを明らかにし、今後の環境保護、林業、農業の関連制度の制定に根拠をもたらした。科技日報が伝えた。
激増する世界人口により、食品の需要が拡大を続けている。農業の生産効率向上、作物の栽培面積の拡大は、この需要を満たす2種類の基本的な手段だ。しかし生物多様性を豊富に含む森林を農業用地にする場合、この拡張は環境保護の目標と矛盾することになる。これは近年、森林面積が縮小している重要な要素だ。
オーストリア社会生態学研究院の研究チームはこれを受け、一連の計算モデルを作成した上で、地球上のすべての森林を留めると同時に、2050年の世界人口に十分な食料を提供する可能性を模索した。研究者らは農業バイオマスの未来の供給関係について、食糧の生産量、使用面積、人類の飲食の選択がそれぞれ異なる500種類のモデルを開発した。その結果、大半の状況下で、森林を破壊しなくても十分に食糧を供給できることが分かった。
世界の全員が完全な菜食主義者だった場合、500種類のモデルのすべてで森林を破壊しないという目標を達成できる。94%の人が卵と牛乳を摂取する菜食主義者の場合、3分の2のモデルで森林面積の保護を実現できる。すべての人が現在の平均的な食習慣を続けた場合も、3分の2のモデルでは森林の破壊を回避できる。誰もが肉を多く摂取する、高カロリーな西洋風の食習慣を採用するならば、森林面積の縮小を実現できるモデルは15%のみ。
研究者は、「この結果は、食糧供給を保証すると同時に、森林を破壊せず農地に変える手段があることを意味する。これらの選択肢は人の食習慣により大きく左右される。肉を控え野菜を多めに食べれば、森林資源を保護する一助になるかもしれない」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年4月20日