このほど、福島原発の汚染物質が5年の月日を経て、北米に漂着したニュースが注目を集めている。しかし、広東省環境放射線観測センターの責任者によれば、広東省の7つの沿海都市に設置されている放射線観測ポイントのいずれも異常は発見されていないという。広州日報が伝えた。
ではここ数年、中国の沿海は福島原発事故の影響を受けていないのだろうか?この問いに対し、同センター責任者は「現在広東省は広州市と掲陽市にそれぞれ1ヵ所ずつ固定の放射線自動観測ポイントを設けている。なかでも広州大道南の広州観測ポイントは最も歴史が長く、1990年代中ごろに設置されている。また大亜湾原子力発電所がある関係で、深センにも11ヵ所の観測ポイントを設けている。このほかに、日本の放射能漏れが発生後、汕頭市から掲陽市の海岸に移動式の観測ポイントが6ヵ所設けられた。現在、広東省の7つの沿海都市の環境放射能観測ポイントのいずれも異常は発見されておらず、ここ数年間でもセシウム137の異常はみられていない」とした。
ここ数年、中国は放射線環境観測能力プロジェクトの建設を積極的に進めており、国、省、地級市の3つのレベルにおける環境観測チームを立ち上げ、初歩的な全国放射線環境観測ネットワークシステムを確立し、全国放射線環境観測データのまとめと公表システムの最終チェック、データの編成と公表の方法を完備させた。現在、国家環境保護部管轄下の国家核安全局はその公式サイトで各省都市の空気吸収線量率の観測値データを12時間毎に更新して公表している。そのうちの広州のネットデータは広州大道南の広州観測ポイントから得たデータだ。業界関係者は「空気吸収線量率は環境放射線レベルを判断する主な基準の一つであり、ガンマ線の空気吸収線量率を指す。何か問題が発生した場合、空気が最も速い伝播ルートとなる。ガンマ線を観測するのはその浸透力が強く、人体に対する影響が最も大きいためだ」と語った。(編集TG)
「人民網日本語版」2016年5月30日