◆ケース3 日本のIT産業
日本のIT産業には独特な見方がある。それはITを製造業の一種とみなしている点だ。狂気じみた品質管理により、バグを一つ一つ見つけ出そうとし、低品質のソフトの市場流通を絶対に認めない。そのため、日本のソフトは高品質でバグが少ないが、開発期間が長すぎ、市場投入が大幅に遅れる。これは日本が日進月歩のIT業界でトップの地位を占められない原因だ。
「匠の精神」を発揮することで、確かにより良い製品を作ることができるが「マージナルコスト」の増加と「限界利益」の減少という法則のもとでは、製品の質が一定程度に達したにも関わらず、さらに「匠の精神」を発揮し、より良くしようとした場合、割に合わなくなるかもしれない。
そのため日立で16年の勤務歴を持つ京都大学・東北大学教員の湯之上隆氏は著書「日本型モノづくりの敗北」の中で、「匠の精神と匠の技に過度に依存することで、製品の標準化と汎用化をないがしろにし、低コストの量産能力が大きく不足した。性能と指標にこだわりすぎ、市場の実際の需要を無視し、不要なコストを費やした。これにより市場に変化が生じた際に、研究開発面で直ちに製品の調整が行えなかった」としている。資本市場において、経営者は利益を重視するものだ。コストパフォーマンスを求めない取引先が占める割合は非常に低いといえるだろう。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年7月7日
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