フィリピンの一方的な申し立てで設置された南中国海仲裁裁判所は29日、いわゆる最終裁定を7月12日に示すと公言した。いかなる合法性も備えぬいわゆる仲裁裁判所によるこの誇大宣伝は、特定の国々の政治的道具に甘んじるその良からぬ了見を暴露するとともに、臨時にかき集めたこのどさ回り一座の、国際法治をほしいままに踏みにじる際の窮状と慌てふためきようを浮き彫りにもした。(人民日報「鐘声」国際論評)
仲裁裁判所は開始当初から国際法の旗印を掲げて国際秩序を破壊する奇怪な存在だった。フィリピンの訴えの本質は領土と海洋境界画定の問題だが、中比は交渉と協議を争い解決の唯一の方法としてとっくに選択している。領土問題は国連海洋法条約の調整範囲に属さず、中国は早くも2006年に国連海洋法条約第298条に基づき海洋境界画定をめぐる争いを強制的紛争解決手続きの適用から除外している。仲裁裁判所はこれら全てを公然と無視し、国連海洋法条約の強制的紛争解決手続き始動規定に違反し、権限を拡大し、越権し、管轄を違法に行使するとともに、不法な裁定によって「既成事実」を作ろうと企てている。
このようなやり方は隠そうとすればするほど露呈する運命にあり、いかなる実際の効果も生じえない。是非曲直は一目瞭然であり、国際法治の公正と正義を一部の者がほしいままに踏みにじることは許されない。現在、国際社会には客観的で公正な声が多くあり、仲裁裁判所が事実を歪曲し、法律を弄んでいることへの不満を様々な形で表明する国や国際組織が増えている。仲裁裁判所が大きな期待を寄せる西側の国でも、本件を批判し、問題視する客観的で中立的な国際法学者が多々いる。
国際法治を揺るがず実行し、世界と地域のルールを揺るがず維持し、仲裁を受け入れず、これに参加せず、不法な裁定を認めない中国の立場は確固不動たるものだ。2013年1月22日にフィリピンが一方的に仲裁を申し立てて以来、中国政府は仲裁を受け入れず、これに参加しない立場を繰り返し表明してきた。2014年12月7日の「フィリピン共和国の提起した南中国海仲裁裁判の管轄権問題に関する中華人民共和国政府の立場文書」、2015年10月30日の「フィリピン共和国の要請に応じて設置された南中国海仲裁裁判所の管轄権と受理可能性問題についての裁定に関する中華人民共和国外交部の声明」、2016年6月8日の「中国とフィリピンの南中国海に関する争いの二国間交渉による解決の堅持に関する中華人民共和国外交部の声明」は、いずれも南中国海における中比の争いの二国間交渉による解決を堅持し、仲裁を受け入れず、これに参加せず、不法な裁定結果を認めない中国の立場を表明している。中国政府は仲裁裁判所が今回発表したいわゆる情報についても対応し、外交部(外務省)報道官談話で、仲裁裁判所及びそのいわゆる裁定に対する中国側の厳正な立場を改めて明らかにした。
領土主権と海洋権益を守る中国の決意は盤石であり、不法な仲裁によって中国の領土主権と海洋権益を損なうあらゆる企ては妄想でしかあり得ない。中国には断固たる力強い行動によって南中国海における領土主権と海洋権益を守る準備がいつでもできている。これは中国の意志と能力による必然的選択であり、地域の平和と安定、現行の国際秩序を維持するために担う責任でもある。(編集NA)
「人民網日本語版」2016年6月30日
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn